Wolfgang補完計画#02


Peavey Wolfgangで個人的に気になる点として、Floyd Rose PAT.ユニットのスタッドがあります。
今回はその辺の状況調査に向けて、コンストラクションチェックを続けます。
先ずは、ピックアップが調整代の無いボディ直付け構造のため、通常あまり見ることがないと思われるピックアップを外したピックアップキャビティの状況から。
リヤピックアップ・キャビティ
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フロントピックアップ・キャビティ
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続いて、ネックポケットの状況
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こうして見ると、ストラトキャスターなどに比べネックとの接合面積が大きくとられていることが分かります。
これはMUSICMAN EVHも同様なのですが、ネック本体を22Fまでカバーするサイズにしたことも効いてますね。
また、MUSICMANが5点止め(Silhouetteあたりからだったような)というより多くのネジでガッチリ固定する方式に対し、アンシンメトリカルなネジ位置とすることにより4点止めで済ませる手法は流石と感じます。
この手法はEVH Wolfgangにも引き継がれていますので、Peavey側の提案と言うよりエディ側の発案だったのかも知れませんね。
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Peavey Wolfgangのネックを外したことある方なら見たことあるかも知れませんが、フロントピックアップ・キャビティとの隔壁に穴が空けられています。
これはなんだろうと思いましたが、何のことはない配線用のケーブルを通す穴をズボッと削孔した痕跡なんですね。
トップをラミネートする構造の場合、予めバック材にルーティング加工を施してから貼り合わせるという手法もあるかと思いますが、豪快な方法を採用したようです。
EVH Wolfgangがどのような手法を採用しているのかチョット興味ありますね。
次ぎに、コントロール・キャビティです。
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キャビティの位置間違えましたか?と感じるほどPotの位置が壁面にへばり付き状態です。
evhgear.comで確認するとほぼ同形状のキャビティとなっているようなので、生産性とかを考慮すると良い形なのでしょうか。
それと、523さんから聞かされていましたが、これには驚かされます。
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アウトプットジャック用ホールとのアクセス孔なんですが、ドリル削孔ではなくまさにハンマーと適当な棒とかで叩き割ったかのような状況。
evhgear.comで確認すると、EVH Wolfgangではもう少しまともに加工されているように感じますので、エディ流という訳ではなく、Peavey流ということなんでしょうね。
見えないところとは言え、いやはや凄まじい限りです。
一応、アウトプットジャック用ホールの状況も記録しておきます。
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セレクタスイッチ用キャビティ
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evhgear.comで確認できる状況と比較すると、配線の手法が異なるようです。
EVH Wolfgangは1V1Tから2Vへの変更がやりやすいようにも感じるのですが、実際のところどうなのか要チェックですね。
さて、ようやく本丸のスタッド関連のチェック。
Floyd Rose FRT-5初期型までは木ねじタイプのスタッドでしたが、ユニットのセッティングが高くボディの材質が柔らかい場合にスタッドがネック方向に傾いてしまうという問題への対策なのか、より調整をスムースにするためなのか要因は不明ですがアンカー&スタッドの組み合わせが現在では一般的です。
MUSICMAN EVHでは、GOTOH製Floyd Rose PAT.ユニットを採用しているにも係わらず木ねじタイプのスタッドを用いるという拘りを見せていますが、Peavey Wolfgangでは何やら頼りないスタッドになっています。
このスタッドを他のものに交換したらどうかと思い立ち、それに向けてアンカーの状況を調査することにしました。
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この個体のみの状況なのかも知れませんが、なんと左右でアンカー孔の深さが異なります。
ということは、採用されているアンカーはGOTOH製のように底があるタイプではないということになるでしょうか。
上の計測では、ボディ上部側でアンカー上端からの測定ができなかったためボディトップからの測定でしたが、アンカーと削孔の状況を把握するために測定し直しました。
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次ぎに、アンカー自体のサイズ測定ですが、抜いてしまえば確実に測定できるものの可逆性を維持するため他の方法をとることにしました。
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ご覧のように、細い六角レンチの先端をカット、挿入し当りを付けマーキングすることにより測定しました。
その結果は・・・
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アンカーのサイズはおよそ20mm程なようで、これはスタッドのネジ加工部分とほぼ同等のサイズとなります。
つまり、深い方ではアンカーよりも10mm以上深く削孔されているということになり、このことは例えばGOTOHのスタッドを流用するにしてもかなり長いものでないとインナーネジでロックすることが難しいことを意味します。
はてさて、可逆性を維持した解決策は無いものかと頭を抱えることになりました。

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