ネックについて


Frankensteinのネックが比較的頻繁に取り換えられていることは良く知られたことです。
では、Replicaに搭載されたネックの素性はどんなものなのでしょうか。
先ずはReplicaのネックの特徴を表す写真を見てみます。
DSCF0898
DSCF0897
DSCF0889
ヘッドストック形状は一見スモールヘッドのように見えますが、2弦用ペグ付近のタバコ焼け下部からナット側に向けて拡がって行く部分にアールが付いていたりと若干いびつな形状になっています。
このアールが付いている特徴は、実は最初のFrankensteinのネックにも見られる特徴なんですが、そちらはよりラージヘッドに近い形状となっていました。
次に、12フレットのポジション・マーカーが比較的中央寄りに位置するのが特徴としてあげられますが、こちらも最初のFrankensteinのネックと共通する部分です。
そして、ネックエンドの形状がTelecasterスタイルとなっていることも特徴で、ネックポケットと合わなくなっています。


そして、更に裏側のネックジョイント部分にも特徴があります。
DSCF0891
良く知られたストラトキャスターの形状と異なり、いきなりスパッと切り落としたかのように円弧を描くその形状はやはりFrankensteinの初代ネックに見られた特徴の一つです。
また、メイプルネックですが張り指板でトラスロッドを仕込むためのスカンク・ラインが無いことも初代ネックとの共通点の一つです。
さて、突然このことを書き出したのには訳があります・・・
久しく行方知らずだった昔購入したギター関連の雑誌が弟の手元にあることが発覚し、今日それを返してもらえたので見ていたんです。
DSCF1032
その中で、(株)プレイヤー・コーポレーションが1984年10月20日に発刊した「THE GUITAR 3」で凄いものを発見しました。
DSCF1034
DSCF1035 DSCF1036
ファインチューナ・ノブがサドル近くにあるプロトタイプ・Floyd Roseユニットをマウントし、まだコインのついていないFrankensteinも興味深いですが、それよりも次のカラフルなギターに注目です。
そちらをスキャンした画像がこちらです。
Eddie02
ヘッド形状、12フレットのポジション・マーカー、ネックエンド形状どれもが、現在のFrankenstein(というかReplicaですかね)のネックの特徴とピッタリです。
説明書きでは「これも赤のヤツと同じシャーベルのパーツを集めて作ったもののよう。」と記述されています。因に、赤のヤツとはFrankensteinのことですが。
Floyd Roseの刻印も無さそうなブリッジユニットも興味深い個体ですね。
カラーリングもオーバーコート処理が為されていないようですし、塗装は本人作でしょうか。
試しに、ヘッドストックを並べてみました。
Neck_a
角度が若干異なるので正確に合わせられませんが、ほぼ間違いなくこのネックがFrankensteinに移植されたと考えて良いのではないでしょうか。
元のストリング・テンショナーを取り付けていた穴の位置も符合することが分かります。
最近発刊されたEddie特集の雑誌で「YOUNG GUITAR COLLECTION Vol.7 EDWARD VAN HALEN」にはネックを取り外されたカラフルなギターの残骸が掲載されていました。
DSCF1037
残骸を見ると、シンクロ用のネジ穴もあるようでFloyd Rose専用に仕立てられたものではないようです。
因に、「THE GUITAR 3」に掲載された写真をよく見るとFrankensteinのFloyd Roseはゴールドで、カラフルな方のはナット・ユニットがゴールドであることが分かります。
Eddie03
ファインチューナ・ノブがサドル近くにあるプロトタイプ・Floyd Roseユニットは元々はカラフルな方にマウントされていたものかも知れませんね。
いやぁ〜、追求し出すとキリがありませんが、この辺もEddieの魅力ですね。
追記
「THE GUITAR 3」に掲載されているのはプレイヤーのバックナンバーよりそのままプリントしたものということで、NOV. ’82号の巻末に掲載されたTHE GUITAR(今でも続いてますな)です。

7 thoughts on “ネックについて

  1. 初めて書き込みいたします。
    フランケン購入の記事、うらやましく拝見いたしております。お金が無い私は、自作でフランケン再現を試みております。
    このたびのネックの考察、恐れ入りました。私もTHE GUITAR 3もYOUNG GUITAR COLLECTION Vol.7も持っていますが、気づきませんでした。その中でひとつ気になる事があります。
    カラフルギターとフランケンのヘッドを拡大して並べた写真にて、左の方はロックナット幅とネック幅がほぼ揃っているのですが、右のフランケンの方は、ロックナットよりネックの方がかなり広くなっていますね。フロイドローズのロックナットには、R3とかR1とか種類がいくつかありますので、そのせいだと思います。
    そこで大変あつかましいお願いがあるのですが、フランケンを自作する者として、どうしてもナット幅が知りたいのです。ナットの裏にR3などの幅が刻印してあるのですが、外していただく訳にはいかないので、せめてナット幅の実測値と、ナット部でのネック幅の実測値をお教え願えませんでしょうか。
    ご無理申しますがどうぞよろしくお願いいたします。

  2. bonzowさん
    コメント有り難うございます。
    デビュー当時からのリアルタイム・ファンでしたので、お恥ずかしい次第ですが後先のことを考えずフランケン購入に走ってしまいました。
    私の方からすれば自作のスキルをお持ちの皆さんの方が羨ましいですが、ディディールの紹介は少しでもそうした方々の一助になれればという部分も少なからずあります。
    差し出がましいとも感じますが(汗)
    ネックのディディールについてはそのうちブログ・ネタにと考えていますが、持ち帰ってスグにこちらに実測結果を書き込んでいます。
    http://6830.teacup.com/tak812/bbs
    2007年7月27日(金)23時33分35秒の投稿です。
    こちらでもFrankenで書き込んでいます(笑)
    THE GUITAR 3の写真でお気付きのことと思いますが、このネック幅広いですし、フランケンについて言えば弦高も低く有りません。
    最近出ていたCharvel EVH Art Series Guitarは触ったことないので分かりませんが、少なくともMusicman EVHやWolfgangとは全く別物です。

  3. Frankenさん、こんにちは。
    このネックはビンゴ!だと思います。
    素晴らしい!
    念のため本物フランケンの拡大写真と杢目を比較してみましたが、
    数カ所の濃く出た杢の特徴が完全に一致してますね!

  4. ありがとうございます。
    44.6ミリもあるんですね!そこに、普通の41ミリ程度のロックナットを装着しているんでしょう。大変参考になりました。その他ネックディテールを紹介していただけるのを楽しみにしております。
    それにしても、リンク先のブログをみて驚きました。私が自作するようになったきっかけのtak812さんのブログですね。彼のサイトは閉鎖してしまったのですが、こんなところでブログだけ残っていたとは。。。

  5. Kohsukeさん
    やはり、間違いないようですね。
    ネックの特徴を精査すると、存外に初代ネックと共通点があります。
    ネックを取り外された残骸にはシンクロを取り付けていたと思われる痕跡もありますし、取材された時期などを加味して考えるとプレイヤーの記事中にある「これも赤のヤツと同じシャーベルのパーツを集めて作ったもののよう。」は正解の可能性が高いと思います。
    今月のヤングギター誌にReplicaのリポートがありました。
    記事中Frankensteinの初代ネックは極太と言われていたというような記述がありましたが、私の知る限りでは極太というよりも、ナット部が幅広く指板がフラットだということでした。
    ナット部での絞りの少ない「ずん胴タイプ」とでも呼んだら良いのでしょうか、そうした初代の特徴によく似た兄弟のようなこのネックに結局戻ったものだと考えています。
    bonzowさん
    上記のヤングギター誌の記事を読むと、幅広いというイメージは湧かないかと思いますが、広いですよねぇ(笑)
    私にとっては大変弾きやすいネックなんですが、Musicman EVHとかを気に入ってる人からしたらイメージ違うんじゃないかと思います。
    逆に、私にとってはMusicman EVHのグリップはどうしても好きになれません(苦笑)
    その他のディテールで確認したいところがありましたら遠慮なく書き込んでくださいませ。
    参考にさせて頂き、エントリーを作成するなどしたいと思います。
    tak812さんのBBSにもご参加頂けたら楽しいんじゃないでしょうか?

  6. 大阪エディさん
    コメント有り難うございます。
    ゆっくり観たいですね。
    今回のリユニオン・・ツアー観戦ついでになんて逝ければ最高なんですけどね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*