またまた久しぶりのギターネタはカスタム・ブロック・シリーズです。
今回の標的はSongbird #1としました。
先ずは交換前のブリッジユニット近影から。
より低い位置から撮影したのも。
ギター紹介のエントリーにも書いてますが、当初80年代のオリジナルなFloyd Rose FRT-5ユニットを搭載していましたがご覧の通りGOTOH製ユニットに交換しています。
画像では普通のクローム・フィニッシュに見えるかも知れませんが、実際にはブラック・クローム・フィニッシュというのでしょうか若干黒っぽいフィニッシュになっていて、個人的にはギターの雰囲気にマッチしていると感じています。
D-Tunaのクロームとの比較で色味の違いが分かるでしょうか。
このギター、そもそも最初からベタ付けを指定していたので、上の画像からも分かる通りWolfgangのようにユニット後端がボディに接地しています。
トップがアーチ形状であることから、若干の落とし込み加工が施されているところも良く似ています。というか、Wolfgang以前の制作なので、逆にWolfgangが似てるのですが(笑)
しかしながら、当初からその構造から期待していたサスティンが得られていないと感じていました。
観察すると、キャビティが比較的大きく加工されているので、接地しているのは裏を削り取られかなり薄くなっている鍔部分であることが分かりました。
そこで、これまでの経験を踏まえサスティーン・ブロックがボディに接地するような構造に進化させることを決意しました。
交換前のキャビティとブロックの様子です。
キャビティの下方(ボディトップ側)に、トップ側からキャビティが必要以上に大きく見えないよう鍔が残されているのが分かりますが、この部分にブリッジユニットの後端が接地しています。
WolfgangやMusicman EVHも同様になっていますし、アップ用にリセス加工されているギター以外は殆ど同様な加工だと思いますが、WolfgangやMusicman EVHと比べこの個体は鍔部分がかなり薄く仕上げられています。
その加工自体はより技術力を要すると思いますが、サスティーンという観点からは構造的に脆弱であると判断出来そうです。
ご覧の通り、キャビティは比較的大きく加工されています。
特に問題はブロック前面とボディとの隙間の大きさです。
それと、ボディ厚がWolfgang並で、ESP HORIZON CTMなどより厚く仕上げられているのでブロックの高さもFloyd Roseサイズ42mm、GOTOHサイズ41mmでジャストフィットになっていることから、過去最大級のブロックサイズになりました。
標準のものと比較し、目視で倍近い大きさがあります。
実寸法は倍より若干小さいのですが。
ブロック完成で、喜び勇んで交換に挑んだのですが・・・
仮組の段階で問題が発生したのです。
なんと、ブロックをボディに接地させると六弦側ナイフエッジがスタッドに接地しません!
スタッドの位置か、キャビティの加工か、はたまたブリッジ自体か、カスタム・ブロックなのか、その何れか或いは複合で製造誤差があり、スタッドとボディ及びブロックの位置関係が相対的に噛み合わないのです。
その状態で組み上げ、弦を張るとこのようになります。
計画では、隙間なくブロックがボディに密着する予定だったのですが、弦の張力でナイフエッジがスタッドに接地する代わりにブロックが接地しません。
六弦側が離れていたのが接地するので、相対的に壱弦側がより離れてしまいます。
実際、FRANKENSTEIN Replicaにしてもブロックの設置面積を大きくとるためボディ側を加工した痕跡が残されていますが、同様にする必要があるのか!?
迷いに迷いましたが、TOMMOさんに相談したところギターを加工してしまうのはけしからんというコトで、ブロック側をボディに合わせ加工してもらうことになりました。
流石、金属加工のプロ、ミクロンオーダーで処理を加えることが可能なんだそうです。
工場で精密に測定し、追加処理した結果がこの通りです。
加工前と比較し、ブロックがボディに接地している様子がわかると思います。
若干壱弦側が離れているのは、デフォルトのボディ加工自体がストレートでは無いことが原因だそうで、この解消は難しいということですが、いやもう素晴らしいです。
つまり、ブロックだけ戻せば元通りになるということですから。
完成後のブリッジ近影です。
実は、最近ギター関連のエントリーがご無沙汰気味なのは、こうしたカスタマイズ自体に時間を多く割かれてしまっていることが原因の一つです。
先ずは、ギター自体を良くすることが目的ですからね。
交換後の効用ですが、特に高音部での音の寸詰まり感が間違いなく解消されました。
20年近い付き合いになるギターですが、こうして進化させるのは嬉しいことですね。
こんばんは~。
来ましたね、、更新お待ちしてましたww
>TOMMOさんに相談したところギターを加工してしまうのはけしからんという、、、
そうか、、私は‘けしからん‘事をやってしまったのか(笑)
しかし、、このギター綺麗ですね、、裏から見ても。
ところで、、このブロックに変えてからは、各ギター、スプリング3本がけにしてますか?
勘兵衛さん
コメント有り難うございます。
「けしからん」こと、私も偽ンケンでやりました(苦笑)
削るのは木のほうが簡単ですからね。
レプリカも間違いなく調整してるし。
このギター、ホント綺麗なんですよ。
画像より実物のほうが杢のうねりも凄いですし家宝です(笑)
スプリングですが、MM EVHのようにスプリングを掛ける位置がズレないような処置を施したモノ以外は3本掛けが多いですね。
GOTOHの強化スプリング2本掛けとかも試したのですが、タッチがイマイチでして。
手持ちの中から張力の弱めなのを見繕って3本掛けにしています。
こんにちは!
おおっ!更新お待ちしてました。
私も「けしからん」事シコシコやってます・・・自作レプリカフランケンが完成してからショップでシンクロからFroydRoseに交換してもらったのですが、スタッド打つときに6弦側が0.5ミリ程度誤差が出たのでしょうね・・・(あのストライプや素人ザグリ形状で後からFRTスタッド打つのはプロでも難しいでしょう!)。今度の弦交換時に、もう少~し(コンマ1ミリ程度)だけボディ調整します。この作業こそ本家レプリカと同じでいいですよね!。貴重なプラスブロックは絶対削れませんよ!!。
おお、tak812さん
ご無沙汰しておりました。
「けしからん」事やってますか(笑)
レプリカは塗装後ヤスリで調整したのが生々しく再現されてますしね、実際にエディはそうしたんだと思います。
位置関係に関しては、Floyd Roseのベースプレートに空けられたネジを通す穴にも誤差がある場合が多いようですよ。
ブロックのネジ穴をかなりの精度で決めても、取り付けてみるとなんか曲がってるということがあるというのはTOMMOさんも言ってました。
で、普通の場合ボディを調整するほうが手っ取り早いですよね。
でも、金属加工のプロであるTOMMOさんはそれが許せないんだそうです。
そんなのも対応出来ますんで、何かの時にはお申し付け下さい。
そーいえばtak812さん、BBSに続きwebサイトもアクセス出来なくなったようですが。
すみません・・・。
Lead12もオクで売りまくってますのであと数台残すのみになりました。もう手元に無いのでサイトに載せてる意味は無いかと・・・
近く大きな地震が来るとの噂もありますし、それまでにギター部屋機材の縮小及び、生活費捻出です(爆)。
tak812さん
なる程ですね。
しかし、大きな地震とはまた物騒な(笑)
私の方は、自分の記録としてボチボチ更新して行ければ良いと考えています。