The Trouble with Never

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You Really Got Me を終えると息つく暇も与えないかのように Alex がカウントを刻み、カウント3で Eddie がグリッサンドを決める。
グリッサンドは既に Wah の効いたトーンで A Different Kind Of Truth からのブランニューソング The Trouble with Never だ!
この曲でも China Town 同様、いや、スーパーサウンドチェックで堪能した As Is もそうであったが、スタジオアルバムで聴かせるサウンドを超える密度でギターワークを駆使して魅せる。
それもたった1本のギターで!
オールドファンには一見 Eddie のギターに似つかわしくないと感じさせる Wah pedal の多用だが、この曲では既に必然であるかのように完成されているのが凄い。
Eddie は Wah pedal の使い手としても頂点を極めてしまったようだ!

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You Really Got Me

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Eddie が Stealth の E-6弦に火を放つと、1978年世界中を興奮の渦に巻き込んだあのリフが炸裂する。
そう You Really Got Me だ!
Alex のドラムソロをハーフタイムショーに見立てれば、後半戦のスタートを告げるかのような展開だ。
Sammy の時代にも、Gary とのライブでも必ず演奏されてきた曲だが、やはり Dave とのコンビネーションはシナジーを感じさせる。
特徴あるオブリガートフレーズも 1st アルバムのそれをこれまで以上に意識していることを感じさせる、いや、それ以上に Eddie節満載だ。
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ギターソロでは後半遂に Stealth に取り付けた秘密兵器キルスイッチを炸裂させた!
やはり、このギターソロにはスイッチング奏法が良く似合う。
というより、スイッチング奏法が無いライブを物足りなく感じていたのが実のところだ。
ライブで Frankenstein や KRAMER を使用している時代は構造上それを要求することは無理だったし、MM EVHでも Volume が1つだったから同様だった。
シグネーチャモデルがWolfgangに進化して、コントロールが2つになったのによもやの 1Volume 1Tone 構成で、もはや Eddie はスイッチング奏法に興味無いのかと頭の中で半ば諦めていた。
ところが、キルスイッチを搭載したのは他の要件でだったのかも知れないが、21世紀型 VAN HALEN でこれを見事に復活させてきたのだ!
やってくれるぜ Eddie !!

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Alex Van Halen

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暗くなったステージに Dave の咆哮が響く!
ステージ中央に紅いスポットライトが浴びせられ Alex と彼のドラムキットだけが鮮やかに映し出される。
Alex ショーの始まりだ!
ラテンのリズムで、パーカッシブなプレイを繰り広げる。
ブラスを大きくフューチャーしたプリレコーディングパートが加わると、会場を北米から南米に誘うかのようだ。
個人的に Alex が叩き出すドラムサウンドが大好きなので、コンサートの中でも心地よいセクションの一つだ!
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Oh, Pretty Woman

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Hear About It Later のエンディングで Eddie のギターが余韻を残す中 Alex がハイハットでカウントを刻む。
カウント3でギターとベースが同時にグリッサンドを炸裂させ Oh, Pretty Woman がスタートした!
リフに合わせた Eddie のアーミングプレイが気持ち良いセカンドパートと、Pretty Woman を Pretty Woman たらしめるシンコペーションが効いたメインリフパートの裏で、カウベルとシンクロした Alex のスネアが最高だ。
疾走する曲で魅せる Alex のビートは壮絶だが、ミディアムテンポでのグルーブ感もこの上ない魅力だ。
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会場の盛り上がりは言葉にできないほどで
Eddie は自らも気持良く演奏できていることを隠さない。

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Hear About It Later

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極限までヒートアップした会場の緊張を解きほぐすかのように、Eddie は Stealth の d-tuna を解放し A-5弦をルートにしたアルペジオを刻み始める。
Fair Warning のアナログ盤A面ラストを飾った名曲 Hear About It Later がスタート!
あの特徴ある Flanger サウンドがフレーズにうねりを加え耳に心地良さを与えてくれる。
テンポは Eddie の思うがままだが、会場の熱気をよそに絶妙だ。
イントロから Alex とWolfy が加わるパートに移行すると、一気にへヴィーな展開に突入する。
1981年の Fair Warning ツアーにおける名演をビデオシュートした映像が当時日本でも放映され、懸命にビデオ録画しテープが擦り切れる程繰り返し、繰り返し見たものだったが、2012年版 Hear About It Later も Eddie のギターはほぼあのアレンジで演奏されている。
違いといえば・・・
ボトムを支える Wolfy のベースの存在感が更に際立っていることだ。
Dave のバックでのグルーブ感が物凄い。
Eddie と Wolfy のコーラスはここでも抜群の相性と安定感を聴く者に与える。

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China Town

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強烈な Somebody Get Me a Doctor で会場が興奮冷めやらぬ状態の中、Eddie は Wolfy が陣取るステージ左側に向う。
Alex がハイハットでカウントを刻む。
いや、テンポを指示しているという感じか。
Dave が何やら叫ぶと、Eddie と Wolfy のシンクロタッピングプレイが炸裂だ!
タッピングパートが終わると Wolfy はカポを解き放ち、Alex のリズムに合わせ重低音を爆発させる。
Alex、Eddie、Wolfy の呼吸は完全にシンクロし、アルバム以上の迫力で会場を圧倒する。
その勢いに Dave まで頭の中が白くなったか、歌詞を間違えたようだ。
兎に角 VAN HALEN 一家の演奏パワーは凄まじい。
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Dave もペースを取り戻し、畳掛ける演奏に応える。

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Somebody Get Me a Doctor

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Everybody Wants Some!! がエンディングを迎えると、間髪置かず Eddie が E-6弦に一撃を加え更にアームでブリッピングを与える。
あたかも、コーナーからの立ち上がりに向けギアを一つ落とすかのように。
それに呼応して Alex がハイハットでカウントを刻む・・・
Somebody Get Me a Doctor の始まりだ!
あの特徴あるリフが最高で、一拍目のドラムとベースがスクラムを組むアタックがドッドン!と腹に効く。
Sammy Hagar が加わってから長らく封印されていたが、1998年の来日公演では Michael Anthony がリードボーカルを取る形で封印が解かれていた。
勿論あの時も感動はしたものの、正直に言えば逆に Dave の必要性を再認識させるようなものであった。
Gary Cherone に歌わせるコトすら出来なかったのだから。
そのキャラクター、声質、声域・・・etc.
Dave の全てとこの曲のマッチングは最高だ!

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Everybody Wants Some!!

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vh_at_ra_41vh_at_ra_42Down in Flames ではイントロだったボリューム奏法フレーズで Tattoo が幕を閉じると、赤いライトに照らし出された Alex のドラムキットからジャングルビートが解き放たれる。
黒いサングラスを掛けたままの Alex のビートは強烈だ!
そして、Dave がそこに絡み Alex を煽る。
その間 Stealth に持ち変え準備を整えた Eddie がE-6弦を揺すり始め、Everybody Wants Some!! がスタートした。
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Wolfy のベースが加わると更にビートは激しさを増す。
Eddie はカスタムフットペダルを総動員してジャングルに猛獣を解き放つ!

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Tattoo

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Romeo Delight が終わると、ようやく Dave が観客に向って喋り出す。
やっぱりこの人は盛り上げるのが猛烈に上手い!
そして、その間 Eddie と Wolkfy は Gear を持ち変えた。
スーパーサウンドチェックでも使用していたストライプ仕様のギターだ。
そう、Tattoo ! Tattoo !!
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Romeo Delight

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She’s the Woman が終わると一瞬の間を置き Eddie が Stealth のE-6弦に火を放ち、間髪を入れず右手人さし指でE-6弦12Fをタッピングする!
早くもエンジン全開モードで Romeo Delight 炸裂だ!
VAN HALEN のアルバムにはギターキッズのハートを鷲掴みにするクールに疾走するキラーチューンが必ず存在する。
それは、例えば I’m The One のようにアメリカンマッスルカーのビッグブロックV8が地響きを上げ爆走するような強烈なブギーチューンであったり、Eruption はまるで Monaco GP でモンテカルロ市街地サーキットを疾走する F1 マシンの咆哮のようだし、Light Up The Sky はスタート合図でドライバーが自分のマシンにかけ寄りエンジンをスタートするル・マン式スタートのレースを連想させる。
つまり、VAN HALEN流疾走チューンにはアメ車的豪快チューンとヨーロッパ車的颯爽チューンがあるということだ。
そして、Romeo Delight はその後者の代表的なチューンだと思う。
この曲を21世紀にライブで堪能できるとは本当に素晴らしい!

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